すべって ころんで

仕事と毎日のこと

バイトしないフリーランスでありたい

会社を辞めてフリーランスに踏み出そうとしてた頃

先輩に言われたことが未だに忘れられない。

「もしダメだったらラブホ街でバイトすれば良いじゃない」

会社の近所がラブホ街だった。近くコンビニでは待ち合わせ中の女性が時間をつぶしているのもよく見た。先輩のいつもの軽口なので聞き流そうとしたけれど、性サービスを軽んじて見るそのニュアンスも、その言葉もずっと残っている。7年も一緒に仕事してきてフリーランスとして独立しようとする同僚に言うことだろうか。

 

会社を辞めて2ヶ月後。

イラストレーターと名乗ってもすぐに仕事になるはずもなく、営業方法もよく分かっていなかった。当時は時間はあるけどどうすれば良いか分からなかったような気がする。一人の時間が長すぎることに耐えられずパートタイムを始めた。

五月人形屋で鎧兜を作る仕事。

器用ではないけど物作りは大好きなので良い仕事だと思った。ところが自分の想像以上に不器用でノルマがこなせないのだ。周りのご婦人達は次から次にパーツが出来ていくのに自分は2倍も3倍も時間がかかる。時間をかけないと丁寧に出来ない。どの作業をやっても致命的に向いていなかった。唯一出来た!と感じたのが駐車場の雪かきだったので自分で寄せた雪山に埋まりたかった。

社長は頑張る意欲が見えれば良いと言ったけど、鎧兜作りはあくまで副業。社長が求める意欲すら見せられなかった。社長室に呼ばれて辞めてもらうから…みたいな話し合いいはとてもしんどかった。

3ヶ月でパートタイムがクビになった!と周りに報告したら友人達は笑ってくれた。向いてないこと続けなくて良かったね、と励ましてくれた。
向いてないことはやるべきじゃない。

 

フリーランスは6年目になった。1日限りのお手伝いという形で謝礼を頂くことはあってもバイトやパートをしないで生活は出来ている。

結果として

性サービスを勧める先輩への反骨心と、鎧兜作りパートタイムが3ヶ月クビのトラウマ。この2つは私を支えてくれている。支えてくれる燃料がもっとポジティブなものだったら良いのに…と日々思うのだ。